車を新たに購入した際、外装の美しさを保つためのメンテナンスについて検討する方は多いのではないでしょうか。時間が経過した車の場合、細かな傷や汚れが蓄積しており、購入時点ですでに光沢が失われていることが少なくありません。
適切な処置を施すことで、車体の状態を大きく改善できる可能性があります。
本記事では、中古車のカーコーティングについて、施工するメリットや依頼先の選び方、具体的な作業手順を詳しく解説します。愛車を長くきれいな状態に保ちたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
中古車にカーコーティングが必要な5つの理由

中古車におけるカーコーティングには、見た目を美しくするだけでなく、車体を外部のダメージから保護する役割があります。施工を検討すべき5つの具体的な理由について解説します。
艶と光沢が復活する
長期間使用した車は、塗装面に微細なスクラッチ傷や雨染みなどが蓄積し、表面がくすんで見えることがあります。通常の洗車だけでは、微細なスクラッチ傷や雨染みを取り除くことは難しいものです。
施工工程に研磨作業を取り入れることで、塗装面の小傷を目立ちにくくし、表面を整えます。研磨後に被膜を形成することで、塗装面の艶や光沢を引き出す効果が期待できます。
小傷や雨染みがつきにくくなる
塗装面を保護被膜で覆うことにより、耐擦り傷性能や耐雨染み性能が向上します。何も施工していないと塗装面に直接ダメージが加わり、汚れが固着しやすくなります。
すでに塗装が薄くなっている車の場合はそれ以上磨けないこともあるため、あらかじめ被膜を作って汚れが付きにくい状態を維持することが望ましいとされています。
劣化や変色を防止する
車は日常的に紫外線や酸性雨にさらされており、塗装面への影響によって色褪せや変色などの劣化が進むことがあります。長期間使用した車は、新車と比べて塗装面の状態が変化している場合があるため、車の状態に応じたケアが必要です。
被膜によって紫外線や酸性雨の影響を抑えることで、塗装面の劣化を抑制する効果が期待できます。
汚れ落ちが良くなり洗車が楽になる
車体は排気ガスや埃、鉄粉、花粉など、さまざまな脅威にさらされています。防汚性能により、これらの汚れがボディに付着しづらくなります。
万が一汚れが付着したとしても固着しにくくなるため、水洗いだけで簡単に落とせるようになります。結果として、日頃の洗車にかかる手間を軽減できるメリットがあります。
売却時の査定額が上がる可能性がある
将来的に車を売却する際、査定額が向上するケースがあります。査定の項目に有無自体が含まれているわけではありませんが、外装がきれいに見え、塗装面の傷や劣化が抑えられていることはプラスの評価につながります。
ただし、被膜が剥がれているとかえって査定額が下がる恐れもあるため、きれいな状態を維持することが重要です。
中古車へカーコーティングを施工する5つの方法

実際に施工を行う際には、店舗に依頼するか自分で行うかなど、いくつかの選択肢が存在します。それぞれの方法によって仕上がりや耐久性が異なるため、目的に応じて選ぶことが大切です。
専門店に依頼する
仕上がりの品質を最も重視するのであれば、専門店への依頼が適しています。塗装の状態を正しく見極めたうえで適切な下地処理を行います。
また、優れた商材を使用し、それを活かす技術も持ち合わせています。遠赤外線乾燥機による熱乾燥を行うことで、通常約1ヶ月かかる完全硬化を1時間程度で完了させられる店舗もあります。
量販店に依頼する
専門店よりも費用を抑えつつ、ある程度の性能や耐久性を求めたい場合は、量販店を利用する方法があります。店舗によっては専門店と同じ商材を取り扱っていることもあります。
しかし、専門知識が少ないスタッフが作業を担当するケースもあり、仕上がりにムラが出たり、成分の弱い液剤が使用されたりする可能性がある点には留意が必要です。
ガソリンスタンドに依頼する
給油のついでなど、手軽に依頼したい場合はガソリンスタンドが便利です。ガラス成分を含むクリスタルキーパーや、ポリマー系のピュアキーパーなど、様々なメニューが用意されていることがあります。
利便性が高い一方で、量販店と同様に施工者の技術力によって仕上がりに差が出ることがあります。
中古車販売店に依頼する
車を購入する店舗で依頼すれば、他の店舗へ持ち込む手間を省くことができます。しかし、費用の割には市販品と同等の成分が薄い液剤が使われることがあり、光沢や持続性が低くなる傾向が見られます。
また、傷を消すための研磨作業において、技術者の経験不足から磨き傷がついてしまうリスクもあります。
DIYで施工する
できるだけ費用をかけたくない場合は、市販の液剤を購入して自分で作業を行うことも可能です。カー用品店などで必要な道具を揃えられます。ただし、中古車は洗車では落とせない汚れが付着していることが多く、新車への施工と比較すると下地処理の難易度が高くなります。そのため、仕上がりの品質が劣る可能性があることを理解しておく必要があります。
中古車におすすめのカーコーティングの種類

保護被膜には大きく分けて4つの種類があり、それぞれ主成分や特徴が異なります。車の状態や予算に合わせて適切なものを選択することが重要です。
セラミックコーティング
現在販売されている中で、効果効能や持続性が高いとされている種類です。ガラス成分のものと比較して40倍以上の厚い被膜を形成するため、光沢や艶に優れ、耐久性も約5年以上と長くなります。
費用相場は10万円から30万円程度です。ファインラボコーティングやSCHILDグラッテなどがあり、塗装が薄くなっている車にも適しています。
ガラスコーティング
ガラス質の硬い被膜を形成し、塗装面を強固に保護する種類です。セラミック成分よりは膜厚が薄いものの、ワックスやポリマー系に比べると持続性や耐久性は格段に優れています。
費用相場は10万円から15万円程度です。親水タイプで塗装本来の艶を引き出すSCHICDシールドや、細かい箇所まで形成できるSCHILDガラスコーティングなどが存在します。
樹脂コーティング(ポリマー)
油脂系のデメリットである持続性の低さを改善するために開発された、樹脂などを主成分とする種類です。手軽に施工でき、コストを抑えられるのが特徴で、費用相場は1万円から2万円程度です。
劣化のスピードが比較的早く、持続期間は約6ヶ月程度とされています。レインドロップやフッ素コート鏡艶などが市販されています。
油脂コーティング(ワックス)
カルナバ蝋などを原料とした、簡易的な種類です。数百円から2千円程度と安価で、自分で簡単に作業できる点が魅力です。被膜が厚いため光沢や艶は出やすいですが、熱に弱く、持続期間は約2週間と非常に短いため、洗車のたびに塗り直す手間がかかります。
中古車のカーコーティング施工手順

実際に作業を行う場合、正しい手順を踏むことが仕上がりを左右します。下地処理が不十分だと密着性が低下し、本来の性能を発揮できません。ここでは一般的な作業の流れについて解説します。
細部洗浄とシャンプー洗車
はじめに、パネル間の溝やエンブレム回り、ホイールなどの細部に入り込んだ汚れを、専用のケミカル剤を使用して取り除きます。洗浄後はシミを防ぐためにしっかりとすすぎを行います。
その後、シャンプーを使用してボディ全体の汚れを落とし、水分を十分に拭き取ります。
鉄粉除去と油膜の除去
洗車だけでは落ちない、ザラザラとした鉄粉やピッチ・タールなどの油系汚れを専用のクリーナーや粘土で除去します。
さらに、目に見えないワックスや排気ガスなどの油膜や水垢も落とします。車のボディカラーが濃色車か淡色車かによってクリーナーの粒子の粗さを選びます。マット塗装車の場合は、必ずノーコンパウンドタイプを使用します。
研磨作業
汚れを取り除いた後、塗装面に残っているシミやスクラッチ傷を、専用のコンパウンドやバフを使用して磨いていきます。
ただし、すべての傷が完全に除去できるとは限りません。傷が深い場合や塗膜が薄い場合は、磨きすぎると塗装が剥がれてしまう恐れがあるため注意が必要です。研磨後は再びシャンプー洗車を行います。
コーティング塗布と乾燥
下地が整ったら、液剤を塗装面に均一に塗布していきます。パネルごとに塗り込みと拭き上げを行うことでムラのない仕上がりになります。塗布後は、最低24時間は雨などに濡れないよう乾燥させます。
完全に硬化するまでには約1ヶ月かかりますが、専用の設備で熱乾燥を行えば短時間で効果を引き出すことが可能です。
中古車のカーコーティングで後悔しないためのポイント

施工を成功させ、きれいな状態を長く保つためには、いくつか気をつけるべきポイントが存在します。
依頼先による施工内容の違いを理解する
同じ種類の液剤を使用する場合であっても、作業を行う設備や方法、スタッフの技術力によって最終的な仕上がりに大きな差が出ることがあります。
事前に施工内容や対応範囲、アフターフォローの有無などをしっかりと確認したうえで依頼先を選ぶことが重要です。
施工後も定期的な洗車を行う
保護被膜を形成したからといって、汚れがまったく付着しなくなるわけではありません。被膜の上に汚れが付着したまま放置すると、本来の性能が発揮されなくなる可能性があります。
車の保管場所や使用環境に合わせて適切な頻度で洗車を行うことが、効果を長持ちさせる秘訣です。水弾きが弱くなったと感じた場合はメンテナンスの時期と考えられます。
中古車の状態を見極める重要性
長期間使用された車は、未塗装樹脂やメッキ部分が劣化していたり、過去の磨き作業で塗装が薄くなっていたりと、一台ごとに状態が異なります。
一見しただけでは判断が難しいケースも多いため、車の状態を正しく見極め、それに適した施工方法を提案してもらえる環境を選ぶことが失敗を防ぐことにつながります。
まとめ

中古車におけるカーコーティングは、失われた艶や光沢を復活させ、その後の塗装の劣化や汚れの固着を防ぐために有効な手段です。車両の状態や予算、求める性能に応じて、セラミック成分やガラス成分など適切な種類を選ぶことが大切です。
また、仕上がりの品質は下地処理の精度に大きく左右されるため、施工方法や依頼先は慎重に検討する必要があります。施工後も定期的な洗車などの手入れを継続することで、愛車をいつまでも美しい状態で保つことができるでしょう。

