車を運転していると、思わぬトラブルに遭遇することは意外と多いものです。タイヤのパンクやバッテリーの上がりといった一般的なトラブルに加え、時には車が泥やぬかるみにはまってしまう事態も起こり得ます。
オートキャンプやバーベキューなどでオフロードを走行した際や、雨上がりの農道などを走る際に、このような状況に直面するかもしれません。楽しいレジャーや外出が台無しにならないように、事前に車が動けなくなったときの対処法を知っておくことが安心につながります。
本記事では、タイヤが泥やぬかるみにはまった場合の脱出方法と対処法を解説します。
タイヤがぬかるみで動けない原因

車が柔らかい土や泥の地面で動けなくなる状態は、一般的にぬかるみスタックと呼ばれています。この見出しでは、トラブルが起きてしまう原因や、どのような場所で発生しやすいのかについて解説します。
タイヤが空転してしまう
ぬかるみで車が動けなくなる大きな原因は、タイヤが柔らかい地面に沈み込んでしまい、地面をしっかりとつかめなくなるためです。そのままタイヤが回っても前には進まず、空転が続くことになります。
空転が長引くほど地面が深く掘れてしまい、状況がさらに悪化しやすくなるのが特徴です。また、二輪駆動の車においては、駆動輪側だけが沈み込んで空転しやすいという傾向があります。
トラブルが起こりやすい路面状況は?
タイヤがぬかるみに沈み込んで動けなくなるトラブルは、雨でぬかるんだ土の地面や、水分を多く含んだ畑、農道などで発生しやすくなります。加えて、造成地や空き地といった柔らかい路面、さらには河川敷などでも、タイヤが沈み込む危険性があります。
タイヤの周りだけが掘れて段差ができると、車両がぬかるみから抜け出すことがいっそう困難になります。
タイヤがぬかるみで動けない時にまずやるべき対応

タイヤがぬかるみにはまってしまったと感じた場合、直後の対応によって抜け出せるかどうかが大きく変わってきます。
前進と後進をゆっくり繰り返す
タイヤがぬかるみにまってしまったとき、まずは軽くアクセルを踏みながら、前進とバックをゆっくりと繰り返すことが基本の対処法となります。素早く前進と後進を繰り返すことで抜け出せることもありますが、沼地などでは反対に状況を悪化させることもあるため、地面の状況をしっかり確認しながら行う必要があります。
それでも抜けない場合は、その時点で無理をせずに車を止める判断を下すことが大切です。
周囲の協力を得て車を押してもらう
もし周囲に人がいる場合には、車を後ろから押してもらうなどして、エンジンの力以外の補助を加えることで抜けやすくなることがあります。複数人の力が加われば、タイヤが地面を捉え直すきっかけを作ることができるかもしれません。
自力で抜け出せるケースと難しいケースの判断基準

ぬかるみスタックは、タイヤの沈み方によって脱出の難易度が大きく異なります。自力で抜け出せる状態なのか、それとも救助が必要なのかを見極めることが重要です。
比較的容易に抜け出せる状態
自力で抜けられる可能性があるのは、タイヤの沈み込みが比較的浅い状態のときです。まだ地面を大きく掘っておらず、片側のタイヤだけが軽く滑っているような状況であれば、初動の対応や簡単な工夫で抜け出せることがあります。
救助を要請すべき危険な状態
タイヤが深く埋まってしまっている場合や、タイヤの周りが掘れて大きな段差ができている場合は、自力での脱出が難しくなります。さらに、車体の下部が地面に触れてしまう腹下接地という状態に陥っていたり、前後どちらにも全く動かない状態になったりしたときは注意が必要です。
腹下接地まで進行してしまうと、無理に動かそうとすることで状況が悪化しやすいため、早めに救助を検討する方が安全だと言えます。
タイヤがぬかるみにはまった際の脱出方法

自力で試せる範囲の脱出方法として、道具を使ったり他の車を利用したりする手段があります。それぞれの具体的な方法について解説します。
板や石をタイヤの下に敷く方法とその注意点
ジャッキなどで車体を持ち上げ、タイヤの下に丈夫な板や鉄板、大きな石などを敷いて抜け出す方法があります。抜け出すタイミングで下に敷いたものを飛ばしてしまわないよう、アクセルをゆっくりと踏み込んで脱出することが大切です。
ただし、タイヤに泥が付いて滑りやすい状態になっていると、周囲にある木材やブロックなどをタイヤの下に入れてもほとんど効果が出ないことも多くあります。
さらに、ブロックなどがタイヤの下や車体の下に入り込んでしまうと、その後の引き出し作業が難しくなり、かえって状況を悪化させてしまうこともあるため、十分な注意が必要です。
別の車を利用した牽引による脱出方法
車が2台以上ある状況で、まだ地面を大きく掘っていない浅いスタックであれば、はまっていない方の車で牽引してもらう方法もあります。救援車とスタックした車を牽引ロープなどで接続し、引っ張ってもらいましょう。
重要なのは、スタックしている側の車はギアをニュートラルにして、アクセルを踏まないことです。引っ張られた瞬間にアクセルを踏んでいると、急に車が飛び出してしまい、事故や衝突につながる危険性があります。
また、牽引ロープの取り付け位置を誤ると、車が横に振られたり部品を損傷したりすることもあります。車種によってはこの方法が適さないこともあり、知識や経験がない場合にはあまりおすすめできません。
タイヤがぬかるみにはまった時にやってはいけないNG行動

焦って脱出を試みると、状況をさらに悪化させてしまう行動をとってしまうことがあります。極力避けるべきNG行動について整理しておきましょう。
アクセルを強く踏み続けて空転させる
ぬかるみスタックにおいて一番多い悪化の原因は、タイヤの空転を続けてしまうことです。はまったと感じた時点で、強くアクセルを踏み続けるのは逆効果となります。踏めば踏むほどタイヤがさらに沈み込み、地面が掘れて脱出がどんどん難しくなってしまいます。
不適切な物をタイヤの下に入れるリスク
木材やブロックなどを無理にタイヤの下へ押し込むことは、状況によっては効果がないばかりか、引き出し作業を困難にするリスクを伴います。知識なく手近なものをタイヤの下に敷き詰める行動は控えた方が良いでしょう。
まとめ

タイヤが泥やぬかるみにはまってしまった場合の脱出方法と、動けないときの対処法について解説しました。トラブルが発生した際は、アクセルを強く踏み込んで空転を続けるような行動は避け、まずは前進と後進をゆっくり繰り返すなどの初動を落ち着いて行うことが大切です。
浅いスタックであれば、周囲の協力を得たり、板を敷いたり、牽引を行ったりすることで抜け出せる可能性もありますが、状況を悪化させないためにも無理は禁物です。
タイヤが深く埋まってしまったり、車体の下が地面に触れてしまったりした場合には、速やかにロードサービスや専門業者へ救援を依頼しましょう。
普段から軍手やスコップなどを車に備えておき、いざという時に冷静な対応ができるようにしておくことが重要です。
