ホイールの歪みチェック方法|原因や対処法も徹底解説

ホイールの歪みチェック方法|原因や対処法も徹底解説

自動車を運転していると、タイヤやアルミホイールにトラブルが起こることがあります。ホイールが欠けたり、クラックが入って空気が抜けたりした場合は、交換が必要だと判断しやすいでしょう。

一方で、見た目には曲がっているように見えなくても、ホイールが変形しているケースがあります。変形に気づかないまま走行を続けると、走行に影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。

そこでこの記事では、ホイールの歪みをチェックする方法をはじめ、歪みが発生する原因や、歪みを見つけた場合の対処法について詳しく解説します。

ホイールの歪みによる影響と許容範囲について

ホイールの歪みによる影響と許容範囲について

ホイールが変形してしまうと、自動車の走行においてさまざまな悪影響をもたらします。ここでは、歪みがもたらす具体的な影響や、許容される基準が存在するのかについて解説します。

ホイールの歪みに許容範囲は存在しない

愛車のホイールが変形していることに気づいたとき、「少しの変形なら、そのまま乗っていても大丈夫なのでは」と考えることがあるかもしれません。しかし、ホイールの変形について、一律に安全と判断できる明確な許容範囲が定められているわけではありません。「何センチまでなら安全に走行できる」といった基準もないため、変形の程度だけで走行を続けても問題ないと判断するのは避けたほうがよいでしょう。

ホイールには、JWLと呼ばれる技術基準が設けられています。また、アルミホイールについては、国土交通省の基準に適合していることを確認するための検査が行われ、検査に合格した製品にはVIAマークが表示されます。JWAは、一般社団法人日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会(JAWA)が認定したホイールに表示されるマークです。

これらの基準や検査は、ホイールが所定の条件を満たしているかを確認するためのものです。いったん変形したホイールについて、「見た目ではわずかな変形だから問題ない」と判断できるものではありません。変形の状態によっては、ホイールだけでなくタイヤなどに影響する可能性もあります。

そのため、変形を見つけた場合は自己判断で走行を続けず、販売店や整備工場などで状態を確認してもらうことをおすすめします。

ホイールの歪みが引き起こす走行への影響

ホイールが変形した状態で走行を続けると、自動車にさまざまな異変が現れることがあります。代表的なのが、ハンドルのぶれや走行中の揺れです。そのほか、自動車がまっすぐ走りにくくなったり、タイヤの空気圧が徐々に低下したりする場合もあります。

なかでも注意したいのが、タイヤがバーストするリスクです。ハンドルのぶれや走行中の揺れ、まっすぐ走りにくいといった症状は、運転中にも気づきやすいでしょう。

一方、空気圧の低下は変化が小さいと気づきにくく、そのまま走行を続けてしまうことがあります。空気圧が低下した状態での走行は、タイヤに負担をかけ、バーストにつながる可能性があります。

走行中に普段とは違う違和感を覚えた場合は、ホイールの変形も原因の一つとして考えられます。無理に走行を続けず、安全な場所に停車したうえで、ホイールやタイヤの状態を確認しましょう。

ホイールの歪みが起こる主な原因

ホイールの歪みが起こる主な原因

ホイールの変形は、どのような状況で発生するのでしょうか。走行中にホイールへ負荷がかかる原因について詳しく解説します。

日常の走行に潜む歪みの原因

ホイールが変形する原因には、砂利道などの悪路を走行した際の衝撃や、段差を乗り越えるときの衝撃などがあります。道路の亀裂を通過したときや、障害物に接触した際にも、ホイールに大きな力が加わって変形することがあります。

また、扁平タイヤを装着している場合は、タイヤの厚みが小さいため、路面から受ける衝撃がホイールに伝わりやすくなります。そのため、路面状況によってはホイールが変形する可能性があります。

こうした原因は、いずれも日常の運転中に起こり得るものです。「この程度の段差なら問題ない」「このくらいの亀裂ならホイールには影響しない」などの一律の目安があるわけではありません。同じような路面を走行しても変形しない場合がある一方、それほど大きくない段差を通過しただけで変形する可能性もあります。

そのため、強い衝撃を受けた場合や、走行後にハンドルのぶれなどの違和感が生じた場合は、ホイールやタイヤの状態を確認することが大切です。

速度と負荷の関連性

ホイールにかかる負荷は、走行している速度によっても大きく変わってきます。走行速度が速い場合は、段差や障害物から受ける衝撃が大きくなるため、ホイールに多大な負荷がかかりやすくなります。

一方で、低速で走行していれば、ホイールにかかる負荷は比較的小さく抑えられます。そのため、砂利道などの悪路や段差がある場所を走行する場合には、できるだけ速度を落として低速で通行する方が、ホイールの変形は起こりにくくなります。

ホイールの歪みチェック方法

ホイールの歪みチェック方法

見た目には問題がないように見えても、真円ではなくわずかに楕円になっていたり、ディスクやスポークの面、裏リムの面が反ってしまっていることがあります。

目視や積み上げによる簡単な見分け方

あるラリードライバーの若い頃の体験談があります。深夜の舗装林道での練習走行の帰り道、有料道路の料金所で通行料金を支払っていると、後続車の運転手が慌てて降りてきて「あなたの車、後ろのタイヤが取れかけていますよ」と伝えてきました。そのドライバーはすぐに路肩に車を止めてリアタイヤを確認しましたが、見た目には何の問題もなく、レンチでホイールナットを締めてみても全く緩んでいませんでした。

後日、ラリーショップで擦り減ったタイヤを交換した際、ショップのスタッフから「このホイール歪んで使えないよ」と言われたそうです。後続車の運転手は、歪んでブレながら回転するリアタイヤを見て、外れかかっていると勘違いしていたのです。このように、ドライバー自身がバイブレーションを感じていても、見た目にはわからないことがあるのです。

ホイールの変形を確認する手っ取り早い方法は目視です。大きな変形であれば目視で簡単に確認できます。また、手軽に確認する方法として、チェックしたいホイールを積み上げるというやり方があります。規格が存在する工業製品であるホイールは、形状にバラつきがなく、規格に収まる範囲内で真円であり反りはありません。

しかし、変形しているホイールは真円でなくなっていたり反りが発生しているため、積み上げて真上から少し力を加えてみると、ガタついたり崩れたりしてしまいます。積み上げてもガタつかなければ、それらのホイールは変形していないと判断できます。

専門業者におけるホイールバランサーの活用

目視や積み上げる方法で変形していることがわかっても、どの程度の変形なのかを正確に把握することは困難です。状態を正確に確認したい場合は、自動車整備工場やディーラー、カー用品店などに自動車を持ち込み、専門家に確認してもらう必要があります。

専門業者の施設にはホイールバランサーという専用の機器があり、これを使用することで正確な変形の度合いを確認できます。変形していないアルミホイールをホイールバランサーにかけると、綺麗にブレることなく回転します。

しかし、変形しているアルミホイールは、ブレながら回転し軌道も一定ではないため、すぐに判別することが可能です。自分で機器を使って確認することはできず、業者に依頼すると料金がかかってしまいますが、最も確実で安全な確認方法と言えるでしょう。

ホイールが歪んだ場合の対処法

ホイールが歪んだ場合の対処法

ホイールが変形していることを発見した場合、そのまま放置することは大変危険です。ここからは、変形してしまったホイールに対してどのような処置を行えばよいのかを解説します。

専門業者によるホイールの修理

ホイールを修理する場合、専門的な技術が必要になります。修理の過程では、ホイールの内側から専用のプレス機を使用して圧力を加えながら、ハンマーで叩いて少しずつ形状を直していきます。このとき、いきなり強い力を入れて叩いてしまうと、変形した部分が割れてしまう恐れがあるため、細かく叩いて微調整をしなければなりません。

また、変形してへこんでしまった部分をグラインダーで削り取り、その後に溶接で金属を盛って修復することもあります。これらの作業は、いずれも経験豊かな職人の手によって行われる必要があります。

素人が見よう見まねでハンマーを使って直そうとするのは禁物です。一見すると直ったように見えても、別の場所に新たなひずみを起こしてしまう可能性があるからです。修理を行う際には、必ず信頼できる修理業者に依頼するようにしましょう。

アライメント調整を伴うホイールの交換

修理が困難な場合や、新しいものに買い替える場合は、ホイールの交換を行います。ホイールを交換する際には、自動車の車種に適合したホイールを正しく選ぶことが重要です。

そして、ホイールを交換した後は、必ずホイールアライメント調整を行う必要があります。ホイールアライメント調整とは、新しく取り付けたホイールの方向や角度、位置を正確に測定し、適切な状態に調整する作業のことです。

この作業で微調整を行い、全体のバランスをしっかりととらなければ、ホイール交換後に重量のかかり方に偏りが出てしまいます。安全で安定した走行を確保するためにも、ホイールアライメント調整は欠かせない工程となります。

まとめ

ホイールの歪みチェック方法

今回は、ホイールの変形についての許容範囲や原因、対処法について解説しました。ホイールの変形には許容範囲が存在しません。なぜなら、見た目や数値だけでは影響の度合いを明確に線引きすることができないからです。

砂利道や段差を高速で走行するなどの悪路走行が原因となって変形が発生することが多く、そのまま放置するとハンドルのぶれや振動が起こります。さらに徐々にタイヤの空気圧が下がり、最悪の場合は走行中にタイヤがバーストする危険性もあります。そのため、定期的に状態を確認し、ホイールの歪みのチェックを怠らないことが大切です。

少しでも変形を発見したときや、走行中に違和感があるときには、すぐに自動車整備工場などに持ち込んで状態を確認してもらいましょう。個人の判断で修理を行うのは危険を伴うため、修理や交換を行う際は必ず経験豊富な熟練工や専門業者に依頼することが重要です。安全な走行を続けるために、常に愛車の状態に気を配り、適切な処置を行うように心がけましょう。